(7)ジン

 木の神、山の神と日本人が呼ぶものは「アッラーのほかに神はない」と言った時の「神」ではありえない、と言いましたが、それは、日本人が「木の神」、「山の神」などと呼んできたものをありもしないものと完全否定するものではありません。樹齢何百年の古木に宿る霊、あるいは、木そのものの魂が人間に語りかけたり、人間になんらかの作用を及ぼすということはありえないことではありません。

 アッラーはこの世に、人間のほかに「ジン」という知的能力と自由意志を持った霊的な存在を創り給いました。彼らは、人間の目には見えませんが、人間と生活空間を共有し、人間と同じような営みをしています。ジンの中には悪いジンやいたずら好きのジンがいて、大木に住み着いたり、人気のない山に住んで、通りがかりの人間に悪さをしかけることがあります。日本で言う、お狐さんにたぶらかされる、というのも、このジンの仕業と考えることができるでしょう。