(21)すべての人類への導きの書クルアーン

 アラブの預言者ムハンマドにアラビア語で啓示されたクルアーンですが、それは決してアラブ人だけに向けられたものではありません。そこには、時代を越え、民族を越えた普遍的なメッセージが込められています。

 アッラーは人類を一つの言語を語る単一の民族とはなさらず、肌の色や髪の色も異なれば、話す言葉も様々に異なる多民族になし給いました。それは、違う者同士が、そうした相違を通して互いを知り合うためでした(第49章[部屋]13節)。その上で、アッラーは、クルアーンの言語アラビア語を彼らの間の共通語となし給いました。それでムスリムは世界中どの地にあろうと「アッサラームアライクム(あなたがたの上に平安がありますように)」というアラビア語で挨拶を交わし、何語を母国語にしようと共通の言葉で礼拝を捧げるのです。なお、楽園の住民の語る言語はアラビア語であると言われています。

 アッラーがなぜ最後の預言者をアラビア半島に遣わし、なぜ最後の啓示をアラビア語で下し給うたのか、そしてまた、なぜムスリムはアラビア語で礼拝を捧げなければならないのか、それは私たちには知りえないアッラーの英知によるものですが、世界中のムスリムが一同に一つの言葉で一つの方向に向かって礼拝を捧げ、額づくことほど神の唯一性を美しく体現するものはないのではないでしょうか。