(2)絶体絶命の窮地を救うのは

 アラビア半島に預言者ムハンマド(彼にアッラーの祝福と平安あれ)が使徒として遣わされた当時、今から1400年ほど前のアラブ人は、木や石などの偶像を部族神として崇拝していました。

 彼らは、自分たちの創造主がアッラーであることを知っていましたが、アッラーと自分たちの間を執り成す仲介者として先祖伝来の部族神を、なぜそれを神として祭るのか深く考えることもなく崇拝を捧げていたのです。

 クルアーンの中で、アッラーは彼らについて仰せられています。もし、彼らが海で大嵐に会ったなら、日々供物を捧げるそうした神々を打ち捨ててアッラーに一心に助けを求めるではないか、そのくせ、一旦、無事に陸にたどり着くや、アッラーに祈ったことなどなかったかのように、また偶像崇拝に戻るのである(第29章65節、cf.第10章12節)。

 神とは、まさに絶体絶命の窮地にあって私たちが、「神さま!」と呼びかける、一切の限定なしの方です。縁結びの神さま、山の神さま、氏神様といったものが仮にいたとしても、彼らには絶体絶命の窮地を救う力はありません。そして、それらを祭っている当人たちもそのことは実はわかっているのです。