(17)使徒

 私たち人間にすばらしい言語能力を与えてくださったアッラーに、私たちとコミュニケーションを取る能力がないことがどうしてありえましょう。アッラーは、人間が御自身の定められた目的と計画に従って生き、そうすることによって幸福になるよう、事細かに指示を出し給うています。

 アッラーは、アッラーの英知によって、この地上では個々の人間に直接語りかけるのではなく、何人かの選別した者たちを通してメッセージを送るようになさいました。それが、「預言者」です。イスラームでは、預言者の中でも特に人々全般に向けた普遍的なメッセージを預かった者を「使徒」と呼びます。そのようにアッラーが一部の者に限定して言葉をかけ給うた理由の一つは、人々が神からの御言葉を預かった指導者の下、愛の絆に結ばれて秩序と調和を築くためかもしれません。

 神の御言葉を預かった人とはいえ人間ですから、いずれは老いて死にます。世代も移り変わり、預言者の記憶は薄れ、影響力も弱まります。時代が変われば、伝えるべき内容も変わるでしょう。そこで、アッラーは、時代時代に、その時代の人々に見合ったメッセージと共に新たな預言者を遣わし給いました。良く知られているところでは、イブラーヒーム(アブラハム)、ムーサー(モーセ)などがそうです。イーサー(イエス)もまた、預言者の一人でした。彼らの伝えるメッセージは、枝葉の部分では異なりこそすれ根幹では一つ、ただ創造主にのみ信仰を捧げ、彼に感謝し、善行をなせ、いずれ人は己の行いの清算を受け、善行をなした信仰者は永遠の楽園によって報いられ、不信仰者は永遠の責め苦によって罰せられる、それだけでした。