(16)啓示の書

 高度で複雑な機能を持った製品には必ず取扱説明書が付いています。製作者による取扱説明書を無視して勝手に動かそうとしても、製品はそれに付与された性能を十分には発揮できないでしょう。それはその製品にとって不幸なことです。人間もそうです。アッラーは人間を明確な目的と計画の下に作成し給いました。その目的に適った生き方をしてこそ人間の幸福は完成するのです。

 エデンの園に永遠に幸福に暮らすという神のご計画は、最初の人間アーダムの神の禁忌を犯すという反逆行為によって狂わされ、その結果、人類は永遠の至福を手放し、地上の短く苦しみの多い生を甘受することになったのではありません。

 アッラーは揺らぎないご計画に基づいてこの地上を人間の短い間の住処として作り給いました。アーダムが自らの手で地上の生活の第1歩を踏み出すきっかけを作ることも元からご計画のうちでした。ですから、アッラーは反逆行為をなして地上に下るアーダムを冷たく突き放し、遠くに身を引くようなことはなさいませんでした。むしろ、ご計画に従って、どうしたらアーダムとその子たちが地上で設計者自らがインプットした本来の目的に適った幸福な生き方ができるかをお示しくださいました。人間という製品の取扱説明書、それが啓示の書です。