(14)創造主アッラー

 アッラーは自然界の仕組みを整えてそこに人間を住まわせると、後は遠くに身を引いて自然が自動的に生命活動を展開し、人間がそこで好き勝手に営みを繰り広げるに任せ給うたのではありません。自然界に起こるどんな現象も「自然に」、つまりそれ自身の内的要因に基づいて自動的に起こっているわけではなく、一つ一つそこにはアッラーの御意志が介在しています。木の葉一枚とて、アッラーの知識の外で、アッラーの御許しなしに落ちることはないのです。私たちが毎朝いつものように目覚め、いつものように一日を始めることができるのもアッラーの御許しと恩恵のおかげです。アッラーが創造主であらせられるというのは、この世界の創始者であらせられるというだけのことを言うのではありません。アッラーは日々刻々の創造者であらせられるのです。

 アッラーのことを拒絶した者をアラビア語で「カーフィル」と言いますが、この語は「覆う」という意味の動詞の派生語です。カーフィルとは、私たちの生命と営みを日々刻々支えてくださっているアッラーの恩恵に覆いをかけ、感謝しない者のことです。宗教などなくても人間はその善なる本性に従って清く正しく生きられる、と思うのは間違いです。殺人も盗みもせず、嘘もつかず人を裏切ることもなかったとしても、自分の存在が全面的に依存する恩恵の主に感謝を返さないとしたら、もうそれだけで十分罪深いのです。