5月22日

 マディーナから帰ると、もう後は1週間後の出発を待つばかりだった。親しい友たちとのお別れもすでにすんでいた。送るべき荷物ももうすでに送ってしまっていたから、あとは残して行くものを整理するだけだった。ちょうどイードの休暇に入ったので、夫は仕事もなく、私は学校もなく、2人ともここ数週間のバタバタの休養を取ることができた。

 親しんだ友との別れは辛く、カイロならともかくリヤードはもう2度と訪れることもないだろうから再会はまず望めなかった。ただ、たとえ遠く離れ、もう会うことがないとしても、一旦イスラームの絆で結ばれた友情はどんなことがあっても消滅しないことを私は知っていた。そのことは別れの悲しみの中で大きな慰めだった。ムスリムになる以前の私は、どんなに一時親しくしても、時と場所が友を遠ざけ、共有する時間、共通項がなくなるや、繋がりも自然に消滅してしまうことを空しく感じていた。無常感、というのだろうか。ところがムスリムになってからの友情はたとえ空間と時間が間を裂こうとも決して消滅することはない。イスラームという不滅の絆によって結ばれているからだ。アッラーへの愛ゆえに愛する友たちだからだ。所は違ってもみな1つの方向を目指して歩む同胞だからだ。そして、その歩みの果てにはきっと再会が待っている。