3月2日

 最後の10日に入り、いよいよラマダーンもクライマックスとなった。今年はタハッジュドもモスクには行かず、1人で行うことにした。そして深夜に1人で行う礼拝の気持ちよさを発見した。今年のイマームの読誦が下手だったのは、このためだったのだな、と思った。ひとりで深夜に礼拝する楽しみを私に教えるためにアッラーは私にモスクに行くことを断念させたのだ。

 そう思って張り切っていたのに生理が来てしまった。ラマダーンのクライマックスに断食も礼拝もできず、クルアーンを読むこともできないので、すっかり気持ちがシラケてしまった。仕方なく和訳のクルアーンを手にするのだけれど、30分と読み続けられない。退屈してしまうのだ。意味もよくわからないアラビア語で読むときには何時間も夢中で読めるのに、意味のわかる日本語で読んで退屈してしまうとは不思議なことだ。

 礼拝ができないので、テレビでマッカの聖モスクの礼拝の様子を見る。最後の10日に入って参拝者の数はぐっと増えた。本当にものすごい数だ。そのものすごい数の人々がカアバを中心にきれいな円を描いている。何度見ても感動的な光景だ。クルアーンの読誦もとても美しい。これを見たことがきっかけになって入信したという人がいないものかしらね、と私が言うと、そもそも非ムスリムはこんなものは見ないんです、というのが夫の答えだった。