10月10日

 大使館の参事官夫人が知り合いの紹介で孤児院を見学させてもらうというので私も参加した。孤児院といっても身寄りのない子を集めた施設ではなく、家庭の事情で子供の面倒を見れない人が長期、あるいは短期で預ける施設だそうで、0歳から6歳の子供27人を預かっていた。普通の邸宅を改造して施設にしたらしく、作りも立派で内装もきれいだった。子供達は大変小ぎれいな格好をしていて、たくさんのおもちゃも新品同様だった。子供3人に1人の保母さんがつき、そのほか数人の料理人、掃除婦が働いていた。保母さんは子供達と一緒に寝るらしく、部屋を案内してもらうと、普通の家庭そっくりの部屋に小さなベッドが3つ、大きなベッドがひとつ備え付けられていた。施設は女性の慈善団体が経営するもので、個人の寄付によって支えられていた。金銭だけでなく、食べ物にしてもほとんど寄付によって賄われ、買わずにすむらしい。洋服なども洋品店から季節毎に差し入れがあるのだという。見学に来た夫人たちが「うちの子よりずっといい格好しているじゃない」、「使い古しのおもちゃなどとても寄付できないわね」とつぶやいていた。喜捨を勧めるイスラームの精神の反映だろうけれど、それにしてもつくづくサウディアラビアの豊かさを思い知らされる見学だった。