4月3日

 ズルヒッジャ(巡礼月)までの3か月、週に3日、4時から6時までアラビア語の学校に通うことにした。初級のクラスにはムスリムでないヨーロッパ人がたくさんいるようだったが、中級の私たちのクラスはみなムスリムである。パキスタン人2人、大使館関係のイラン人グループ、それからサウディアラビア人と結婚したアメリカ人2人である。イラン人は1人を除き英語がほとんどできないなので、会話にはアラビア語を用いなければならず、かえって練習になっていい。

 教科書に使うテキストには時々、イスラームの歴史を主題にした例文が出てくる。たとえば、「1代目正統カリフはアブー・バグルである」。シーア派はアブー・バグルの正統性を認めていない。彼らに言わせればアブー・バグルは本来アリーが着くべきであったカリフの座をいわば横取りした不届き者である。スーダン人の先生は故意かどうかは知らないが、例文を何度も繰り返して読む。横目でイラン人たちを見たが、下を向いてシンとしていた。