2月24日

 ラマダーンの断食の目玉は断食そのものだけではない。夜に行われるタラーウィーフと呼ばれる特別の礼拝に出てこそラマダーンだ。礼拝は8時ころから始まり9時半まで続く。その間ほとんど立ちっぱなしだ。モスクによってはもっと長いところもある。このタラーウィーフの礼拝を通してラマダーンの1か月でクルアーンを全部読み終える。私たちの住む建物に隣接したモスクのイマームはなかなか読誦がうまく、私自身去年よりもアラビア語の理解力がついたせいもあって、礼拝がとても楽しい。人にイフタール(日没後、断食を解いた後の食事)に招かれたりすると食事が8時近くまで長引いたりするのだが、礼拝の時間が近づくと遅刻しないかと気も漫ろになる。

 去年のラマダーンを過ごしたエジプトでは、早目に行かないとモスクに入れないくらい女性礼拝者もいっぱい来ていたが、こちらでは、少なくとも私の通うモスクは10人ほどしか来ない。少ないだけにお互い言葉は交わさなくても、あああの人今晩も来ているな、とか、あの人の姿が今日は見えないけどどうしたかな、などと思い、同じ信仰心を共有する喜びをしみじみ感じる。

 礼拝から帰ってくると、疲れからというより霊的に心が満たされたせいで、ぐったりし、口を開くのもおっくうで、1人でそのままぼんやりしたり、クルアーンを読み続けたりする。いままで午前中にあったイスラームの勉強会がラマダーンに入ってからは夜の礼拝の後、つまり9時過ぎから開かれると姉妹から連絡があったのだが、礼拝の後は幸福感の余韻の中に浸って人と話をする気になれないので、それも断った。