9月18日

 土地感のまだない夫の運転で人を訪ねたり、買い物に出掛けるとよく迷子になる。走っていて曲がるべき道を曲がり損ねると、ずっと先の交差点でUターンするしかない。道路が広いせいか時速80キロで走っても日本の40キロぐらいの感覚しかない。リヤードの町は高速道路が縦横に張り巡らされているので、うっかり出口を出損なうととんでもなく遠くに来てしまい、ままよとわけもわからず走っていくうちに方角すらわからなくなる。しかし、迷子のドライブも悪くない。迷いながら町並みを見て行くと、本当に豪邸が多いことに驚かされる。ある日本人が、いわゆる日本の「マンション」にサウディ人の友人を連れて行って、ここがオレの家だ、と言ったらマンションそっくりが家だと解釈されて、あとから家はそのうちの一角だけとわかって驚かれた、という冗談のような話をどこかで聞いたように思うが、それも無理ない話だと、こちらの家々を見て納得する。高い塀に囲まれた日本の小型マンションほどの大きさの一軒家がいくつも立ち並んでいる。塀の内には同じような色形の一軒家が3、4軒建てられていることが多い。息子夫婦の家か、それとも第2、第3夫人の家だろうか。これほど生活空間の規模が違ったらそれが人間性に影響しないはずはないと、日本人が少々哀れになる。