9月17日

 きちんと髪を洗っているのに妙に頭がかゆい。かくと爪に黒い細かい砂粒のようなものが入ってくる。知らないうちにこんなに砂ぼこりをかぶっているのだろうか。でも、土は黄土色だから黒いというのもおかしい。ああ、それにしてもかゆい、とまたひとかきして爪の間に挟まったものを見て驚いた。ダニではないか。さては、とあわてて頭からものを振り落とすように掻くと、ダニが2匹、それから無数のシラミが振り落ちて来た。かゆいはずである。一体どこでもらって来たのだろう。ガイドブックに、バスの中でもらってくることがあるから注意とあったが、やはりそんなところか。たいがいの不衛生には目をつぶって来たが、自分の頭がダニやシラミの巣になっているというのはいい気がしない。黒い砂粒と見えたのは引っ掻いて潰したシラミの死骸に違いない。黒いのはつまりシラミに吸われた私の血だ。げんなりして私の頭から出て来たシラミを眺めていたら、ハナーがやって来て、髪を毎日洗わなくてはいけない、と事もなげに言った。